在来浴室の防水はなぜ安心か|工法・試験・メンテナンスを解説
- 4月17日
- 読了時間: 9分
「在来浴室って、漏水しやすいんじゃないの?」――在来工法の浴室を検討するお客様から、このご不安をよくいただきます。かつては在来浴室の水漏れトラブルが多かった時代もありましたが、現代の防水工法と施工管理のもとでは、そのリスクは大幅にコントロールできます。

「在来浴室は漏水しやすい」は本当か
結論から言えば、適切な防水工法で施工された在来浴室の漏水リスクは、現代ではユニットバスと同等水準にコントロールできます。
「在来浴室=漏水しやすい」というイメージが生まれた背景には、主に3つの理由があります。
①施工精度のばらつき(高度成長期ごろ) 1960〜70年代に普及した在来浴室は、職人の経験則に頼る部分が大きく、防水の品質にばらつきがありました。当時の工法では下地の防水層が薄く、タイル目地や防水層の経年劣化で漏水が発生するケースがありました。
②防水材料・工法の未成熟 現在主流のFRP防水やウレタン塗膜防水が普及する前は、防水性能の低いモルタル仕上げのみで対応していた時代もありました。材料の耐久性が現在とは大きく異なります。
③ユニットバスとの比較論 ユニットバスが「工場品質保証」を前面に打ち出してシェアを拡大した時代に、在来浴室のネガティブ面が強調された背景があります。
現代の在来浴室では、防水材料・施工技術・品質確認(満水試験)のすべてが大きく進歩しており、かつてのイメージと実態は異なります。
在来浴室の防水が重要な理由
浴室は住宅の中でも特に水を大量に使う空間です。壁・床・浴槽の周囲から水が浸入すると、以下のような被害につながります。
床下・柱・梁の腐食(木造住宅では特に深刻)
断熱材の劣化・カビの発生
マンションでは階下への漏水事故
構造体への長期的なダメージ
在来浴室ではユニットバスと異なり、壁・床を現場で仕上げるため、防水層を現場施工でしっかり形成することが品質の鍵になります。逆に言えば、防水工事が適切であれば、在来浴室は高い防水性能を発揮できます。

防水工法の種類と特徴
在来浴室に用いられる主な防水工法は4種類あります。それぞれの特徴を解説します。
アスファルト防水
アスファルトをシート状・液状に加工した防水材を使用する工法で、歴史が長く信頼性の高い工法です。浴室よりも屋根・屋上・地下などで広く用いられており、浴室への適用例は現在では少なくなっています。
耐用年数:15〜25年程度
特 徴 :耐水性・耐久性が高い。施工コストは比較的高め
位置づけ:大規模改修・高耐久仕様での採用事例あり
FRP防水(繊維強化プラスチック)
ガラス繊維とポリエステル樹脂を組み合わせた防水層を形成する工法で、浴室・バルコニー・屋上に広く用いられています。軽量で強度が高く、複雑な形状にも対応できる点が特徴です。
耐用年数:10〜25年程度(施工品質・環境による)
特 徴 :継ぎ目のない防水層を形成できる。施工しやすく仕上がりが均一
位置づけ:現代の在来浴室で最も広く採用されている防水工法の一つ
ウレタン塗膜防水
液体ウレタンを塗布して硬化させる工法で、複雑な形状や既存下地への追従性に優れています。
耐用年数:10〜15年程度
特 徴 :細部への追従性が高く、下地の動きに柔軟に対応できる。比較的安価
位置づけ:リフォーム時の既存防水層への増し塗りや、複雑な形状部位での採用事例が多い
WediBoard(防水下地パネル)— 当社採用工法
BOWCSが採用しているのが、ドイツ製のWediBoard(ウェディボード)です。これは硬質ポリスチレンフォーム(XPS)の両面を、耐アルカリガラス繊維とポリマー変性セメントでコーティングした、100%防水の下地パネルです
建材そのものが防水素材でできているため、従来の「下地の上に防水層を塗布する」という二重構造ではなく、下地自体が防水機能を持ちます。
耐用年数:30年以上(素材の耐久性として)
特 徴 :
パネルを組み立てる構造のため施工精度が安定しやすい
軽量のため現場施工の負担が少ない
継ぎ目にはウェディ610(専用シーリング接着剤)と防水テープを使用し、防水層を一体化
フルフラット(段差ゼロ)設計が可能(「フンドプラーノ」シリーズ)
位置づけ:施工精度の向上と工期短縮を両立できる次世代工法
防水工法の比較表
比較項目 | アスファルト防水 | FRP防水 | ウレタン塗膜防水 | WediBoard |
耐用年数目安 | 15〜25年 | 10〜25年 | 10〜15年 | 30年以上 |
施工コスト | 高め | 中程度 | 安め | 中〜高 |
複雑形状への対応 | 低い | 高い | 最高 | 高い(パネル) |
施工精度の安定性 | 職人技量次第 | 職人技量次第 | 職人技量次第 | 安定しやすい |
フルフラット対応 | ー | ー | ー | 専用品あり |
現在の浴室採用例 | 少ない | 多い | 多い | 増加中 |
メンテナンス周期 | 15〜20年 | 10〜15年 | 8〜12年 | 長期間不要 |
満水試験のプロセス
防水工事の品質を数値で確認する手段が満水試験(水張り試験)です。当社BOWCSでは、すべての在来浴室施工において、引き渡し前に必ず満水試験を実施しています。
洗い場の満水試験
排水口を止水してシャワー室・洗い場に水を張る
仕上げ面から5mm以上の水位を確保する
そのまま24時間(丸一日)保持する
水位が変化していないことを確認して合格
浴槽の満水試験
浴槽の排水栓を閉じ、水を満水近くまで張る
浴槽をほぼ満水状態(オーバーフロー口より手前まで)に水を張る
そのまま24時間(丸一日)保持する
水位が変化していないことを確認して合格
満水試験に合格しない場合
水位低下が確認された場合は、漏水箇所を特定して防水層を補修した後、再試験を実施します。満水試験に合格するまで引き渡しは行いません。この手順を守ることが、施工品質の担保につながります。
「満水試験で合格したか確認する」ことは、施工業者を選ぶ際の重要なチェックポイントです。試験の有無・手順・記録の提出を施工前に確認することをおすすめします。
防水の耐用年数とメンテナンス
どれだけ優れた防水工法でも、経年による劣化は避けられません。在来浴室の防水層を長持ちさせるための定期メンテナンスの目安を整理します。
日常的なメンテナンス(毎日〜週次)
使用後は換気扇を回し、十分に湿気を排出する(目安:30分〜1時間以上)
タイル目地の変色・ひび割れを定期的に確認する
排水口のゴミを清掃し、詰まりを防ぐ
定期的なメンテナンス(5〜10年ごと)
目地シーリングの打ち直し 目地材は紫外線・温度変化で経年劣化します。変色・ひび割れが目立つ前に打ち直すことで防水層の寿命を延ばせます
防水層の点検・再施工 FRP・ウレタン防水は10年前後での再施工が推奨されます。専門業者による床下点検も合わせて実施することをおすすめします
排水管の高圧洗浄 石けんカス・皮脂汚れが蓄積した配管を清掃することで、排水トラブルを予防できます
注意すべきサイン
以下のサインが現れたら、速やかに専門業者に相談してください。
浴室の床下や壁内部からカビ臭がする
浴室下の床(廊下・リビング)に湿気やシミが出ている
タイル目地が大きく欠けている・黒ずみが取れない
浴槽のコーキングが剥がれている・変色している
防水工事で失敗しないためのチェックリスト
施工業者を選ぶ際、防水工事の品質を確認するための5つのチェックポイントです。
① 満水試験を実施するか 実施しない業者への依頼は避けてください。試験の有無・方法・記録提出の有無を必ず確認します。
② 防水工法の種類を明示しているか 見積書に「防水工事一式」とだけ書かれている場合、工法・材料の内訳を確認してください。使用材料・厚み・施工範囲が明記されているかが重要です。
③ 防水工事の専門職人が施工するか タイル職人と防水職人は別の技術者です。防水職人が下地工事を担当しているか確認してください。
④ 施工後の保証内容を確認する 防水層の保証期間(一般的に5〜10年)と、保証の対象範囲(工事瑕疵・材料不良等)を事前に書面で確認します。
⑤ 施工実績・事例を確認する 在来浴室の施工実績がある業者かどうかを確認します。施工前後の写真・実績数・担当した現場の事例を見せてもらうことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 在来浴室の防水は何年ごとにやり直しが必要ですか?
採用する工法によって異なりますが、FRP防水・ウレタン塗膜防水は10〜15年程度が再施工の目安です。Wedi Boardを使用した場合は素材の耐用年数が30年以上と長く、目地シーリングの定期補修を行えば長期間使用できます。
Q2. 築20年の在来浴室ですが、今すぐ防水をやり直す必要がありますか?
必ずしも今すぐの再施工が必要とは限りません。目地の状態・床下の湿気・防水層の目視確認で判断します。気になる点があれば専門業者に現地確認を依頼することをおすすめします。
Q3. ユニットバスと在来浴室、どちらが防水性能は高いですか?
適切な施工と定期メンテナンスが行われていれば、現代の在来浴室はユニットバスと同等の防水性能を発揮できます。ユニットバスは工場品質保証がある一方、在来浴室は満水試験などの現場確認によって品質を担保します。
Q4. Wedi Boardはどこで購入・施工できますか?
当社BOWCSでWedi Boardの取り扱いを行っております。施工はパートナー工務店が対応しますので、まずはお気軽にご相談ください。
Q5. 防水工事を含むリフォームの費用目安はいくらですか?
防水工事単体では20〜50万円程度(規模・工法による)が目安です。
まとめ
「在来浴室は漏水しやすい」は現代工法では当てはまらない
FRP防水・ウレタン塗膜防水・WediBoardなど、目的に合わせた工法選択が重要
引き渡し前の満水試験(洗い場+5mm・浴槽+200mmで24時間保持)が品質の証明
5〜10年ごとの定期メンテナンスで防水層を長持ちさせられる
施工業者を選ぶ際は「満水試験の有無」を必ず確認する
防水についてご不明な点がございましたら、お気軽にBOWCSまでお問い合わせください。
お問い合わせ
ショールーム・ご相談予約: https://www.bowcs.co.jp/bathroom
仕上げタイルの購入 : https://bowcs.tilemarket.jp/
電話 : 044-434-6007(平日9:00〜18:00/土日祝休)
※当社は建材・設備の提供と施工サポートを行っています。施工工事は提携工務店をご紹介する形で対応しており、直接施工は承っておりません。




