海外風バスルームの作り方|欧州タイルと在来工法で実現する方法
- 1 日前
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「ヨーロッパのホテルで見たような、石張りのバスルームを自宅に作りたい」――近年、こうしたご要望をいただく機会が増えています。欧州のホテルや住宅で見られるバスルームは、素材・照明・空間の組み合わせ方が日本の在来工法と高い親和性を持っています。
本記事では、バスルームを海外風に構成する5つのデザイン要素と、実際の施工事例2つ、日本住宅で工事する際の注意点3項目を解説します。

海外風バスルームを構成する5つのデザイン要素
1. 大判タイル・石張りの壁と床
欧州のバスルームを特徴付けるのが、目地の少ない大判タイルや天然石を使った壁・床です。600×600mm以上の大判タイルや、600×1200mm・900×1800mmの超大判タイルタイルを使うことで、継ぎ目が少なく広がりのある空間になります。
当社が取り扱うイタリアブランドSant'Agostino(サンタゴスティーノ)の「MYSTIC」シリーズや「AKOYA」シリーズは、大理石調・クォーツ調の表情を磁器質タイルで再現しており、天然石の美しさと磁器質の耐久性を両立できます。
ポイント
壁と床を同系素材でコーディネートすると奥行き感が生まれる
目地の色はグレー・スモークグレーにするとホテルライクな印象に
目地幅を最小化(2〜3mm)することで大判タイルの面が際立つ
2. フリースタンディングバスタブ(猫足型・楕円型)
欧州のバスルームで象徴的な存在が、壁や浴槽囲いに接しないフリースタンディングバスタブです。空間の中央または窓際に配置することで、ホテルのスイートルームのような非日常感を演出できます。
当社ではKOHLER(コーラー)のフリースタンディングシリーズをはじめ、楕円型・卵型・猫足型など多様なスタイルを提案しています。
ポイント
バスタブへのアクセス経路(周囲に600mm以上のスペース)を確保する
床排水の位置をバスタブ中央付近に計画する
水栓はバスタブ一体型または床立ち上がりタイプを選ぶ
3. レインシャワー+ウォールシャワーの組み合わせ
欧州では、浴槽とシャワーブースを分けてレイアウトするスタイルが一般的です。天井から全身を包むレインシャワー(オーバーヘッドシャワー)と、壁付きのハンドシャワーを組み合わせることで、使い勝手と演出を両立します。
当社ではHansgrohe(ハンスグローエ)やPaffoni(パッフォーニ)の水栓・シャワーシステムを取り扱っており、デザインと機能性を兼ね備えた製品を提案しています。
ポイント
シャワーブースは透明ガラスで仕切ることで開放感を保つ
排水はリニア排水溝(線状排水)にするとスッキリした印象に
床はフルフラット(段差ゼロ)設計が欧州スタイルの基本
4. 間接照明と照明計画
海外風バスルームの雰囲気を決定づけるのが照明計画です。蛍光灯一灯ではなく、複数の光源を組み合わせることでホテルライクな雰囲気が生まれます。
代表的な照明の組み合わせ
天井の間接照明(コーブ照明) :空間全体を柔らかく照らす
ミラーライト・バニティライト :洗面台周りを明るく均一に照らす
ニッチ内の小型スポット :シャンプーボトルの置き場を演出的に見せる
浴槽周りのフットライト :夜間の安全確保と雰囲気づくりを兼ねる
ポイント
浴室の照明は防湿型(IP44以上)を必ず選ぶ
調光スイッチにすると昼夜で雰囲気を変えられる
5. ニッチ(くぼみ棚)
欧州バスルームに多く見られるのが、壁に埋め込まれたニッチ(くぼみ棚)です。タイル張りのニッチを壁に組み込むことで、シャンプー類をすっきり収納しながら、デザインのアクセントにもなります。
在来工法では下地段階でニッチの位置と深さを計画できるため、ユニットバスでは難しい自由な設計が可能です。
ポイント
ニッチは防水下地の段階で位置を決定する(後付け不可)
奥行き100〜150mmが一般的な使いやすい深さ
ニッチ内部は同系統のモザイクタイルでアクセントにするとおしゃれ
海外風バスルームの施工事例2選
事例A:アメリカ在住オーナーが希望した欧米スタイルのバスルーム
アメリカにお住まいだったオーナー様の依頼により、欧米スタイルのバスルームを設計・施工した事例です。眺望とオープンな空間構成を重視したレイアウトが特徴です。
欧米スタイルを実現した要素
バスタブを窓際(南側サッシ際)に配置し、眺望を最優先
シャワーブースをガラス仕切りでオープンに構成
マイクロバブル・ブロアーバス機能付き浴槽で本格的なリラクゼーション
TV・スピーカーを組み込んだ総合的なバスルーム空間
設計のポイント 南側のサッシ際にバスタブを配置し、入浴中に眺望を楽しめるようにしました。シャワーブースにはガラスを用いることでオープンな空間構成とし、閉塞感のない欧米式のレイアウトを実現しています。バスタブにはマイクロバブルやブロアーバスの機能を備え、TV・スピーカーも合わせて設置することで、心身ともにくつろげる本格的なバスルームに仕上がっています。
事例B:壁を取り払い一体化した海外ホテル風ラグジュアリーリモデル
B様邸の在来浴室リモデル事例です。元々は浴室・洗面・トイレと分かれていた水まわりの壁を取り払い、ひとつの空間として統合することで、海外のホテルのようなラグジュアリーなバスルームに仕上がりました。
海外ホテル風を実現した要素
浴室・洗面・トイレの間仕切り壁を撤去し、ワンルーム型に統合
空間全体を一体的に仕上げることで奥行きと高級感を演出
在来工法による自由なレイアウト変更で欧米型バスルームを実現
設計のポイント 日本の住宅では浴室・洗面・トイレをそれぞれ独立した小空間に分割する設計が一般的ですが、この事例では仕切り壁をすべて撤去し、ワンルーム型のバスルームとして再設計しました。面積を変えずに空間の広がりを生み出す、欧米スタイルの代表的なアプローチです。在来工法だからこそ実現できる間取りの変更であり、ユニットバスでは対応できない設計です。
日本住宅で海外風バスルームを実現する際の注意点3項目
注意点①:日本の気候・湿度環境への対応
欧州と日本では気候が大きく異なります。日本の高温多湿な夏は、欧州設計そのままでは湿気・カビのリスクが高まります。
対策
換気設備を強化する(24時間換気+浴室乾燥機の併用を推奨)
目地材は抗菌・防カビ仕様を選ぶ
使用後は換気扇を最低1時間以上稼働させる習慣をつける
大判タイルは表面コーティングのある汚れにくいタイプを選ぶ
注意点②:日本の建築基準・防水規制への準拠
海外デザインをそのまま取り込む際、日本の建築基準や防水施工基準を必ず満たす必要があります。
特に確認が必要な点
浴室の防水仕様(防水下地・満水試験の実施)
排水勾配の確保(浴室床は1/50〜1/100の排水勾配が必要)
電気設備の防湿対応(照明・コンセントはIP44以上が原則)
窓の断熱性能(大型窓は冬季の冷気侵入対策が必要)
注意点③:メンテナンス計画を事前に立てる
欧州スタイルの素材(天然石・大判タイル・フリースタンディングバスタブ等)は美しい反面、日本の一般的な浴室素材と比べてメンテナンスの手間・コストが異なります。
素材別のメンテナンスポイント
天然石(大理石等):酸性洗剤NG。専用クリーナーを使用。年1回の再コーティングを推奨
磁器質大判タイル(Stone目調):中性洗剤+水拭きで基本OK。目地シーラーを定期塗布
フリースタンディングバスタブ(アクリル系):研磨剤入り洗剤NG。傷が付いた場合は専門補修を
レインシャワー水栓:水垢が付きやすいため、週1回の拭き上げが推奨
事前にメンテナンスの手間を把握した上で採用を決定することで、長く美しい状態を維持できます。
よくある質問
Q1. 海外風バスルームはユニットバスでは実現できませんか?
ユニットバスのオプションでも一部のデザイン性は高まりますが、フリースタンディングバスタブ・大判タイル・ニッチ・アーチ天井など、欧州スタイルの本格的な要素を取り入れるには在来工法が必要です。デザインの自由度は在来工法が圧倒的に高いといえます。
Q2. 大判タイルは滑りやすくないですか?
表面加工によって防滑性能は異なります。浴室の床には防滑等級R10以上(DIN規格)のタイルを選ぶことを推奨します。当社取り扱い商品では防滑等級を明示していますのでご相談ください。
Q3. Sant'AgostinoやKOHLERなどの輸入品は、納期がかかりますか?
在庫状況により異なりますが、輸入品は概ね4〜8週間の納期を見込んでください。施工スケジュールに合わせて早めの発注を推奨しています。
Q4. BOWCSで海外風バスルームの設計・商品選定は相談できますか?
はい、承っております。当社では素材・水栓・浴槽の選定から、施工できるパートナー工務店のご紹介まで対応しています。ショールームではサンプルのご確認も可能です。
まとめ
5つのデザイン要素(大判タイル・フリースタンディングバスタブ・レインシャワー・間接照明・ニッチ)を組み合わせることで、海外風バスルームを実現できます。
施工事例A(欧米スタイル・眺望重視)と事例B(ワンルーム型統合)で、具体的な仕上がりをご確認ください。
注意点3項目(高湿度対応・建築基準準拠・メンテナンス計画)を事前に把握しておくことで、長く美しい状態を維持できます。
お問い合わせ
ショールーム・ご相談予約: https://www.bowcs.co.jp/bathroom
仕上げタイルの購入 : https://bowcs.tilemarket.jp/
電話 : 044-434-6007(平日9:00〜18:00/土日祝休)
※当社は建材・設備の提供と施工サポートを行っています。施工工事は提携工務店をご紹介する形で対応しており、直接施工は承っておりません。










