「在来浴室って、最近よく聞くけどどういうもの?」――浴室リフォームを検討し始めた方から、この質問を多くいただきます。 本記事では、在来浴室の構造・施工の流れ・ユニットバスとの違いを、ボウクスの視点でまとめています。※「在来浴室」=在来工法で造作する浴室を指します。
在来浴室とは何か、どんな人に向いているか、費用や工期はどうかについて、初めての方でも全体像がつかめる構成です。
1. 在来浴室とは
一言でいうと、防水下地の上にモルタル・タイルを職人が現場で仕上げるお風呂のことです。
ユニットバス(UB)が工場であらかじめ生産した規格品を現場で「組み立てる」工法であるのに対し、在来浴室は壁・床・浴槽・防水のすべてを現場で一体的に造作します。ユニットバスが日本で普及するまでは、浴室といえば在来工法が標準でした。
欧米では現在も在来工法が主流であり、デザイン自由度・意匠性・ライフスタイル適合性の点で、在来浴室には独自の強みがあります。
2. 在来浴室の施工の流れ
在来浴室は複数の工程を重ねて完成します。各工程の間に乾燥・養生の時間が必要なため、工期が長くなります。
2-1. 防水下地工事
浴室の床・壁の下地に防水処理を施します。この段階で、シャワー室・浴槽エリア・洗い場のゾーニングも確定します。フルフラット仕様(段差ゼロ)への対応も防水下地の計画段階で決まります。 当社では、ドイツ製の防水素材Wedi Board(ウェディボード)を採用しており、100%防水の下地パネルを組み立てることで、従来の防水工事に比べて施工精度と工期を大幅に改善しています。


2-2. モルタル下地・墨出し
防水下地の上にモルタルを塗り付け、タイルの施工面を整えます。同時に、配管の位置・ドアの開口・照明ボックスなどの墨出しを行います。
2-3. 仕上げ工事(タイル・石材等)
壁・床に仕上げ材を施工します。磁器質タイル・大判タイル・天然石など、素材の自由度が在来浴室の最大の特徴です。
当社ではイタリアブランドSant’Agostino(MYSTIC・AKOYAシリーズ)など、多彩な素材を組み合わせられます。
2-4. 設備・建具取付
浴槽・シャワー水栓・給排水配管・照明・浴室扉・換気設備を取り付けます。当社ではKOHLER(コーラー)の水栓金物や、Hansgrohe(ハンスグローエ)/ Paffoni(パフォーニ)などの欧州ブランドも提案しています。
2-5. 品質確認(満水試験)
施工完了後、満水試験で防水性能を確認します。洗い場には仕上げ面より5mm、浴槽には200mm以上の水を張り、丸一日保持して水位の変化がないことを確認します。この試験を経て、初めて引き渡しとなります。
3. 在来浴室とユニットバス・ハーフユニットバスとの3択比較
浴室の工法はつぎの3種類に大別されます。
比較項目 | 在来浴室 | ハーフユニットバス | ユニットバス |
費用目安 | 80〜200万円 (仕様・地域による) | 60〜200万円 (仕様・地域による) | 50〜150万円 (仕様・地域による) |
工期目安 | 2週間〜1ヶ月 | 4日〜1週間程度 | 3〜7日 |
デザイン自由度 | 最高(完全オーダー) | 高い(上部は自由) | 低い(規格品) |
防水性 | 施工品質次第 | 高い(下部はユニット) | 高い(工場品質保証) |
保温性 | 素材・断熱工事次第 | 中程度 | 高い(規格品) |
掃除のしやすさ | 目地の手入れが必要 | 下部は掃除しやすい | 最も掃除しやすい |
サイズ制約 | なし(変形・狭小可) | 一部制約あり | 規格サイズのみ |
供給リスク | 低い(職人施工) | 中程度 | 高い(工場生産品) |
3-1. ケース別おすすめ
在来浴室が向いているケース
- 変形・狭小スペースや傾斜天井など、ユニットバスの規格が入らない
- タイル・天然石・ヒノキなど素材にこだわりたい
- ホテルのような上質な空間を演出をしたい
- 資材の供給が滞り、ユニットバスの納期が読めないとき
ハーフユニットバスが向いているケース
- 下部の防水性を確保しつつ、上部のデザインにも自由度を持たせたい
- 完全在来工法ほどコストをかけられないが、個性を出したい
ユニットバスが向いているケース
- 短工期・コスト重視で、デザインよりも機能性を優先したい
- 標準サイズのスペースで、供給に問題がない
3-2. もうひとつの選択肢「オーダーのユニットバス」
サイズや仕上げを選んでつくるオーダーメイドの浴室には、在来浴室のほかに「オーダーのユニットバス」もあります。洗い場と浴槽の下に工場でつくった防水パンを置き、その上で壁や床をタイルなどで仕上げるつくりです。
比較項目 | オーダーのユニットバス |
つくり | 工場製の防水パンの上に組み、壁・床をタイルなどで仕上げる |
デザイン自由度 | 高い(サイズ・素材を選べる) |
防水性 | 高い(下部は工場製の防水パン) |
オーダーのユニットバスが向いているケース
- タイル仕上げの見た目と、下部が工場製の防水パンであることの両方を重視したい


4. 在来浴室が今でも選ばれる3つの場面

4-1. 変形・特殊スペースへの対応
マンションのリフォームや戸建ての増改築では、梁・柱・傾斜天井などの制約で、ユニットバスの規格サイズが物理的に入らないことがあります。在来浴室は現場で寸法を調整しながら施工するため、こうした変形スペースでも対応できます。
4-2. 素材・デザインへのこだわり
ユニットバスのオプションでは選べない、輸入タイル・天然石・フリースタンディングバスタブ(据置型)・レインシャワー(オーバーヘッド型)・ダブルボウル洗面(2ボウル洗面)など、欧米スタイルのバスルームは在来浴室でこそ実現できます。
4-3. 資材の供給が滞ったときの選択肢
2026年春には、資材の供給が滞り、ユニットバスの受注や納期に影響が出た時期がありました。在来浴室は、床や壁を職人が現場でつくるため、浴室本体の生産状況に工期が左右されにくい工法です。
5. 自宅が在来浴室かどうか見分ける方法
リフォーム前に、自宅の浴室が在来浴室かユニットバスかを確認しておくと、工事の計画が立てやすくなります。
判断のポイント
- 天井に点検口(ハッチ)がある → ユニットバスの可能性が高い。ユニットバスは天井裏に空間があり、点検口が設けられます。
- 壁がタイル張り → 在来浴室の可能性が高い。ユニットバスはパネル(FRP・アクリル等)が多い。
- 浴槽がモルタルやタイルで囲まれている → 在来浴室。ユニットバスは一体成形の浴槽が多い。
- 築30年以上 → 在来浴室の可能性が高い。ユニットバスが一般住宅に普及したのは1970年代後半以降。
不確かな場合は、施工前に専門業者に現地確認を依頼することをおすすめします。
よくあるご質問
Q1. 在来浴室とユニットバスはどちらが費用が高いですか?
一般的に在来浴室のほうが費用がかかる傾向にありますが、仕様によっては同程度になることもあります。在来浴室は80〜200万円程度、ユニットバスは50〜150万円程度が目安です。
Q2. 在来浴室の工期はどのくらいかかりますか?
標準的な在来浴室リフォームは2週間〜1ヶ月程度が目安です。防水下地工事・タイル施工・設備取付・乾燥養生それぞれに時間が必要です。ボウクスの場合は、下地にウェディボードを使って下地工事を短縮しており、工事期間は解体・設計期間を除いて約2〜3週間です。
Q3. 在来浴室はユニットバスに比べてカビが生えやすいですか?
タイル目地がある分、掃除に手間がかかるのは事実です。ただし、大判タイル(目地を最小化)・抗菌目地材・濃色目地(汚れを目立ちにくくする)などの対策で大幅に軽減できます。
Q4. 在来浴室の防水はどのくらい持ちますか?
適切な材料・施工であれば、防水層の耐用年数は10〜20年程度が目安です。当社では施工後に満水試験を必ず実施し、防水性能を確認してからお引き渡しします。5〜10年ごとの定期点検・再施工を推奨しています。
Q5. ボウクスは在来浴室の施工も対応していますか?
はい、対応しています。設計から施工まで、ボウクスが請け負います。詳しくはお気軽にご相談ください。
まとめ|在来浴室が向くケースと注意点
- 在来浴室は、防水下地の上にモルタル・タイルを職人が現場で仕上げるお風呂
- ユニットバスにはないデザイン自由度・空間演出・変形スペース対応が強み
- 工期・費用・メンテナンスのデメリットはウェディボードなどで大幅に軽減できる
- 浴室本体の生産状況に工期が左右されにくく、資材の供給が滞った時期の選択肢にもなる
お問い合わせ
- バスルームのご相談: https://www.bowcs.co.jp/spacecreate/bathroom/
- お見積フォーム : https://www.bowcs.co.jp/spacecreate/bathroom/#contact
- 仕上げタイルの購入 : https://bowcs.tilemarket.jp/
※建材・設備のご提案から施工まで、ボウクスが請け負います。
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