脱衣場をおしゃれに|浴室と一体で考える欧米式バスルーム
脱衣場をおしゃれにする方法を、洗面脱衣所の収納・動線・タイル・照明の整え方と、浴室との仕切りを見直す欧米式バスルームの考え方の2つから解説します。浴室まで一体にするメリット・デメリットや湿気・暖房の注意点、在来工法で広がる設計の自由度、施工事例も紹介します。
脱衣場をおしゃれにしたいと考えたとき、多くの方がタオル置き場や照明を見直そうとしますが、もうひとつ効果が大きいのが「浴室との仕切りをどう考えるか」です。
日本の住宅で壁や浴室ドアの仕切りがあるのは、脱衣と洗面を兼ねた「洗面脱衣所」と浴室の間です。一方、欧米で「バスルーム」というと、浴室・洗面・トイレを指します。
浴室まで一体にする場合のメリット・デメリットから、洗面脱衣所そのものをおしゃれにする収納・動線・タイル・照明のポイント、在来工法で広がる設計の自由度まで、タイル・輸入建材販売を手がけるBOWCSの視点で整理しました。
1. 洗面脱衣所と浴室、仕切る?ひとつにする?
日本の住宅では、脱衣場と洗面所を兼ねた「洗面脱衣所」(洗濯機も置くことが多い)と「浴室」の2室に分ける形が長く主流で、今も多くの住宅がこの形です。2室の間は壁と浴室ドアで仕切られ、浴室は濡れる場所、洗面脱衣所は濡らさない場所として使い分けます。注文住宅やリフォームでは脱衣室と洗面所を別にする間取りもありますが、ここでは、一般的な洗面脱衣所を前提に考えます。
一方、欧米で「バスルーム」というと浴室・洗面・トイレを指し、それらを分けずにひとつの〈room – 部屋〉としてまとめる考え方があります。BOWCSがバスルームづくりで大切にしているのも、浴室・洗面・トイレを「ひとつの部屋」として捉える考え方です。
この考え方なら、リビングやダイニングと同じだけの上質なインテリアを、脱衣場にも取り入れられます。
以下、浴室との仕切りも見直して、浴室・洗面・トイレをひとつの部屋として考える住まいを「欧米式バスルーム」と呼びます。
おしゃれな脱衣場を目指す方法は、大きく2つあります。ひとつは、洗面脱衣所そのものを収納・動線・素材・照明で整える方法です。もうひとつは、浴室との仕切り(壁・ドア)を見直し、ガラスの仕切りやタイルの連続で浴室とひと続きに見せる方法です。前者は今の間取りのままでも取り組めます。後者は工事の範囲が広がりますが、欧米式バスルームの開放感に近づけます。
2. 浴室まで一体にするメリット・デメリット
洗面脱衣所と浴室の仕切りをなくしたり、ガラスの仕切りに替えたりしてひと続きの空間にする設計には、良い面と注意すべき面の両方があります。
メリット
- 壁や扉による視線の区切りが減り、実際の床面積以上に空間を広く見せられる
- 壁・床の素材を浴室から洗面脱衣所まで連続させやすく、内装のトーンを統一しやすくなる
- 扉やそのレールが減る分、掃除する箇所を減らせる場合がある
デメリット
- 湿気や水はねが洗面脱衣所側にも広がりやすいため、換気計画と壁・床材の防水性が欠かせない
- 洗面脱衣所と浴室の温度差は小さくなる一方で、ひと続きの空間をまとめて暖める暖房・断熱の計画が必要になる
- 洗濯物や浴室内が来客の目に入りやすく、生活感が出やすい
- 家族の誰かが入浴中は洗面を使いにくいなど、プライバシーと使う時間の重なりに配慮が要る
浴室まで一体にすると開放感のある空間を作りやすい半面、湿気・暖房・生活感という課題がついてきます。これらへの対策は、最初から計画に入れておくことが大切です。
3. 脱衣場をおしゃれにする4つのポイント
浴室まで一体にするかどうかにかかわらず、まず整えたいのが洗面脱衣所そのものです。ポイントは、収納・動線・素材・照明の4つです。
3-1. 収納:隠す収納で生活感を消す
洗濯用洗剤、タオルのストック、掃除道具といった生活感の出やすいものは、扉付きの収納にまとめて視界から隠すのが基本です。逆にタオルそのものや観葉植物のような「見せてもきれいなもの」は、オープンな棚に置くとインテリアの一部になります。隠す収納と見せる収納を使い分けることで、洗面脱衣所全体が片付いた印象になり、浴室まで一体にした場合も生活感を抑えられます。
3-2. 動線:脱衣・洗濯・身支度を一方向の流れに
洗面脱衣所では、脱衣→洗濯機→身支度という動きが、行き来せず一方向に流れるように配置すると、朝の混雑時でも動きがスムーズです。洗濯機を脱衣スペースの手前に置くか奥に置くかで使い勝手が大きく変わるため、家族の生活動線を先に洗い出してからレイアウトを決めることが大切です。
3-3. 壁・床材:輸入タイルで洗面脱衣所に統一感を出す
洗面脱衣所をおしゃれに見せるには、壁・床の素材を部屋全体で統一することが大きなポイントです。BOWCSでは、輸入タイルを壁・床に連続して使うことで、洗面カウンターまわりと脱衣スペースの素材感をそろえる提案を行っています。浴室の壁タイルと色や質感をそろえておくと、浴室との仕切りを見直すときにも、空間をつなげやすくなります。タイルは水・湿気に強く、洗濯機まわりなど水はねを受けやすい場所にも向く素材です。床に使う場合は、濡れた足でも滑りにくい防滑タイプを選び、冬の冷たさが気になるならマットや床暖房との組み合わせも検討します。湿気がこもらないよう、換気扇の位置は浴室だけでなく洗面脱衣所側もあわせて計画しておきます。

3-4. 照明:鏡まわりに光を足す
日本の脱衣場は、天井の照明と洗面台の鏡の照明だけで済ませることが多いですが、欧米のバスルームでは鏡まわりや壁の照明を組み合わせ、空間全体をやわらかい光で包む演出がよく見られます。鏡の上部や左右に照明を仕込むだけでも、実用一辺倒だった脱衣場がホテルライクな雰囲気に変わります。
4. 在来工法で広がる、浴室との一体設計の自由度
ここからは、もうひとつの方法である浴室との仕切りの見直しです。工場生産のユニットバスは、規格化された品質と短い工期で、戦後日本の住宅供給を支えてきた優れた仕組みであり、今も多くの住宅で選ばれる理由があります。一方で、洗面脱衣所と浴室の間仕切りを取り払ったり、ガラスの仕切りに替えたりして、ひとつの空間としてつなげたいと考える場合は、防水や仕上げを現場で自由に調整できる在来工法がひとつの選択肢です。
規格サイズにとらわれず、壁の位置や出入口の形を現場合わせで決められるため、「浴室との仕切りをガラスにして、洗面脱衣所から浴室まで視線を通す」「浴室側の壁タイルを洗面脱衣所まで連続させる」といった、浴室とひと続きにする設計がしやすくなります。在来工法での浴室づくり全般については、「在来浴室とは?構造・施工の流れ・ユニットバスとの違いをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

5. BOWCSの施工事例:浴室・洗面・トイレをひとつの部屋に
BOWCSには、在来浴室のリフォームで洗面・トイレを浴室と一体化し、ひと続きの空間にした施工事例があります。Wedi Board(ウェディボード)を使った工法で自由に設計し、ホテルライクに仕上げました。浴室との仕切りを見直した先にある、欧米式バスルームの一例です。詳しくは施工事例「在来浴室リフォームで洗面・トイレを一体化|ホテルライクな自由設計バスルーム施工事例(wedi工法)」をご覧ください。
洗面カウンターまわりの造作や輸入ボウルの選び方は、関連記事「おしゃれな洗面台にリフォーム|造作洗面台と輸入ボウルの選び方」で詳しく扱っています。洗面脱衣所の空間設計とあわせて、設備単体の選び方も検討すると、仕上がりの統一感がさらに高まります。
6. 浴室まで一体にするのが向いている方・向いていない方
洗面脱衣所と浴室は、仕切る・ひとつにするのどちらも正解になり得ますが、家族の人数や来客頻度、暮らし方によって向き不向きがあります。
浴室まで一体にするのが向いている方
- 開放感のある、ホテルのような空間にしたい方
- 浴室から洗面脱衣所まで素材をそろえ、統一感を出したい方
- 少人数で暮らしていて、浴室と洗面を使う時間が重なりにくい方
浴室まで一体にするのが向いていない方(浴室との仕切りを残し、洗面脱衣所を整える方法も選択肢になります)
- 来客時の生活感を気にする方
- 家族の使用時間が重なりやすいご家庭
- 浴室と洗面脱衣所をまとめて暖める暖房・断熱や、換気の計画を十分に立てにくい住まい
7. よくあるご質問
Q1. 浴室まで一体にすると、生活感が出るのが心配です。どう対策すればいいですか?
洗濯用品や掃除道具は扉付きの隠す収納にまとめ、タオルなど見せてもきれいなものだけをオープン収納に置けば、生活感を抑えられます。浴室側から見える範囲に物を出しておかないことも大切です。洗濯機まわりに目隠しの建具を設ける方法もあります。
Q2. 日本でいうパウダールームと、欧米のバスルームはどう違いますか?
日本の住宅でいうパウダールームは、洗顔や身支度をする洗面所・洗面室を指す言葉です。一方、英語の powder room は来客用の小さなトイレ(便器と洗面のみ)を指し、意味が異なります。また、欧米でバスルームというと浴室・洗面・トイレを指し、それらをひとつの部屋にまとめる考え方があります。本文では、浴室との仕切りも見直してこの考え方に近づける住まいを「欧米式バスルーム」と呼んでいます。
Q3. 在来工法でないと、浴室まで含めた一体設計はできませんか?
規格サイズのユニットバスでも、洗面・トイレを含めたトータルコーディネートは可能です。ただし、浴室との間仕切りをなくしたり、壁の位置や出入口の形を現場合わせで決めたりしたい場合は、在来工法の方が調整の幅が広がります。
Q4. 浴室まで一体にする場合、広さの目安はどれくらいですか?
まず目安になるのは洗面脱衣所の広さで、洗面台と洗濯機を置く洗面脱衣所は、2畳(1坪)程度が一般的な広さとされています。浴室までひとつの空間にする場合は、これに浴室の広さを加えて検討します。収納やゆとりのある身支度スペースを加える場合は、それより広めに計画すると使いやすくなります。必要な広さは家族の人数や使い方で変わるため、3-2の動線とあわせて検討します。
まとめ
脱衣場をおしゃれにする方法は、洗面脱衣所そのものを整えることと、浴室との仕切りを見直すことの2つです。まず収納・動線・タイルなどの素材・照明の4つを押さえれば、今の間取りのままでも洗面脱衣所の印象は大きく変わります。さらに、ガラスの仕切りやタイルの連続で浴室とひと続きにすれば、浴室・洗面・トイレをひとつの部屋として考える欧米式バスルームに近づけます。その場合は、湿気・生活感への対策と、浴室と洗面脱衣所をまとめて暖める暖房・断熱の計画が欠かせません。規格にとらわれない設計をしたい場合は、在来工法もひとつの選択肢です。ショールームで実物の素材をご覧いただけます。

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- メール: info@bowcs.co.jp
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